再出発


 ルノーエスパス。ルノーの良さを知った時から、ずっと、憧れていました。
 ちょうど10年前のことです。初めてルノー・トゥインゴを購入してから、ルノーのモノスペース、というカテゴリーに魅了されたのでした。
 単にモノスペースと言うなら、路上にはたくさんの種類があふれていますが、ふわっとゆったりとしたシート、遠く大きなウインドスクリーンダッシュボードの造形やシンプルな計器類・・・、何よりも疲れ知らずでとこまでも走っていける優れた足回り。
 ですから、トゥインゴの次は、エスパスしかなかったのでした。


 いまでも、このトゥインゴに戻りたいと思うことがあります。クルマの色々な楽しみを教えてくれました。優しい乗り味、開放感、この色、きしみ・・・、どれをとっても愛おしい。でも、晩年は災難が続きました。

 長野に住んでいましたので、冬は毎週のようにスキーに行きました。4人乗車で、荷物満載で。でも、どんなに大雪でも、凍てついた路面でも、何の不安もなく走り抜けてしまう。ルノーに対する絶対的な信頼感は、トゥインゴに乗って間もなく醸成されたのでした。


 トゥインゴ以外のクルマに乗ることって、ないと思っていたのですが。
 このルノー・ラグナに乗ったことが、エスパスに乗ることへの序章だったと、今だから言えます。このときは、カタログを見て憧れていた高級セダンに乗ったという歓びでいっぱいでした。
 ただ、このラグナというクルマが良かったからこそ、ラグナと兄弟関係にあるモノスペースのエスパスに、強烈に惹かれてしまったのです。

 前述のトゥインゴを事故で失って、でも諦め切らず手に入れた2台目のトゥインゴは、初めての並行輸入車でした。並行輸入車の面白さと、トゥインゴの良さを改めて知ってしまいました。

 最後にもう一度、新車でトゥインゴに乗ろう。そう思い、ラグナを手放すことにしました。でも、正直、後悔しています。走り去る後ろ姿に、あれほどかっこいいクルマもないなと、今更ながら思います。
 それはともかく、大型セダンの快適さを知ってしまったのと、ルノー以外も乗ってみたいという浮気心から、プジョー・406に乗ってみました。

 実は、初めて買ったクルマ、ニッサンプリメーラに乗っていたときから、ずっと、406かっこいいなあと思っていました。憧れのクルマも手に入れて、これで楽しい生活が始まると思った矢先に、転勤。
 今だから言えますが、転勤だからって何も変える必要はなかったのです。ですが、なぜかあの時は、元に戻さなきゃ、という気持ちになったのでした。そう、トゥインゴ1台の生活に戻そうと。でも、もう、8年前と同じではなかったのです。自分もトゥインゴも、・・・。

 長崎の街に、新しいトゥインゴはよく似合いました。手放すなんて、考えられなかったのですが。

 エスパスに乗るチャンスが目の前に来た時、一度はエスパスを断ったのですが。高速道路での移動が増える一方、トゥインゴでどこまでも走り続けることに体が耐えられなくなってきていました。いや、ラグナを知ったことで、単に贅沢になっていただけなのかもしれません。

 高速道路が1000円になったその日、宮崎までドライブしてきました。片道400kmの道のりでしたが、あっという間に着いてしまう感じです。疲れ知らずと言ったら嘘になりますが、運転する疲れよりも、他車の危うい動きに翻弄される疲れの方がずっと大きく感じます。

 これまで、frogface dialyというブログを書いてきました。旅行や食べ物や、イベントやそこで知り合った人達のことなど、なんでもありで書き連ねてきましたが、こと他者のプライバシーに関することについて配慮の足りない記載があったことを反省し、frogface dialyは閉鎖しました。
 ということで、タイトルにもありますように、ブログ再出発です。そこで、これまでの思い出のクルマを振り返ってみました。

 これから、エスパスに乗ってあちこち出かける予定です。そんな旅先のことを中心に記事にしていきますので、今後ともよろしくお願いします。