京都を目的地としたぐるり旅


 「京都国立博物館長谷川等伯を見に行きたい。」と、まだ冬の頃に妻からリクエストされていました。今年は大型連休だから行き易いけど、道路も博物館も混雑がひどそうなので、ならばと連休前の4/25に長崎を出発。ほんとは夜出発して翌朝京都入りする計画でしたが、直前に風邪を引いたこともあって安全策に。せっかく旅をするのだからと、その日は鞆の浦福山市)に宿を取ったのでした。
 写真は関門橋の手前のめかりPAでの1枚です。

 山陽道を福山西ICで降りて、無事鞆の浦に到着。鞆の浦歴史民俗資料館で勉強してから、ぶらぶら散策。

 こういう路地が良いですね。

 宿は直前にネットで予約した景勝館漣亭。お部屋もお風呂もあまり期待していなかったのですが、料理は当たりでした。広島の地酒も堪能して、鯛茶漬け、美味しかったなあ。

 翌日は、京都に向かう日ですが、鞆の浦をもう少し楽しもうということで、海岸山千手院福禅寺へ。対潮楼にあるこれを覗いてみると・・・

 対岸の弁天島がよく見えたのでした。

 対潮楼の座敷からの眺めは素晴らしいものでした。さらにここから、グリーンラインを走り展望台にも行ってみたのでした。
 京都に着いたら、京都の2番目の目的である京都国際マンガミュージアムへ。期間限定「バラハク」を楽しんだのでした。正直なところ僕はあまり漫画を読まないのでピンと来ないのですが、漫画好きにはたまらない場所のようです。

 そして、ここからが僕の本命。居酒屋巡りです。錦町市場でいろいろ買い込んだ後やってきたのは、「桜バー」。何年も前に来て以来、ずっと来たかったし妻を連れてきたかったお店。

 定番メニュー以外にずらりと並ぶ旬の料理。「端からひとつずつ頂戴。」とは言えないのが哀しいところ。でも、おいしい料理をたくさん食べて、おいしいお酒をたくさん飲んで、幸せでした。
 それなのに、この後、アイリッシュパブでギネスとフィッシュ&チップスを楽しんでしまった我ら。京都はいつ行っても、魅力的な街ですね(京都のせいにしました)。

 翌朝、この旅1番の目的である、京都国立博物館へ。なんとなく(?)二日酔いで出遅れてしまい、博物館の駐車場は満車。近隣の豊国神社に駐車したの図です。
 それにしても、長谷川等伯は良かった。わざわざ京都まで見に行った甲斐がありました。

 お昼過ぎに京都を後にして、目指すは松江。中国道米子道と走るのは、実に、7年ぶりぐらいになるでしょう。写真は、米子からまず向かった美保神社(の近くのお醤油屋さんに向かう小道)です。
 途中、名塩SAではTVが取材してて、「連休中はどこかに行きますか。大渋滞が予想されますがそれでも高速道路を使いますか」って聞かれたのですが、すでに長崎から来ていると答えましたので、きっとボツだろうなあ。連休直前に高速道路でそんなこと聞いてどうするんだろうと思いつつ(シチュエーションが理解できない)。

 これが太鼓醤油店。ここの刺身醤油が好きで、長崎のおいしいお刺身をこのお醤油で食べたいと、取り憑かれたように買いに行ってしまいました。

 美保神社にもお参り。

 美保関から、もう一度境港に戻り、江島大橋を通って島根県へ。そして、懐かしさいっぱいで大根島を走り抜けたのでした。写真は、大根島のシンボル、朝鮮人参の畑をバックにしています。

 大根島からは堤防道路を走って中海を後にします。いやはや、いつ見ても、この景色はきれいです。初代そらまめ号でここをよく通りました。懐かしいなあ。

 雨上がりの松江市。夕陽が路面に反射して、これぞ出雲路!、と勝手に興奮する私。

 松江市中心部に到着すると、最高の夕陽が迎えてくれました。もう少し行けば宍道湖の夕陽が見れたのですが、ほんの少し、時間が足りませんでした。

 松江の居酒屋は、「やまいち」。松江に住んでいた頃は、とても近所なのに行った事がなかったのですが、一度出張で松江に行った際、連れて行ってもらったお店。こんなにいいお店があったなんて、と後悔しても仕方ない。この夜も、心行くまで楽しみました。しかも、懐かしい同僚と共に。

 贅沢にいろいろいただいて、〆はシジミのみそ汁。こんなでかいシジミ、滅多に食べれないなあ、と感動しながら、やまいちを後にしたのでした。

 そして、2軒目は、「A BAR 山小舎」。こちらは何度となく訪れた、心身共に休まるバー。カクテルを楽しみ、同僚とお別れして、一度ホテルに戻ったのですが・・・。
 もう少し飲みたいね、ということでもう一度訪問。マスターと懐かしい思い出話や店主のことなどで盛り上がり、閉店時間が過ぎたにもかかわらず、のんびり美味しいカクテルを楽しむことができました。ちなみに写真のカクテルは、その名も「松江」。そう、この日は、1杯目に「長崎」をイメージしたカクテル、2杯目に「松江」をイメージしたカクテル、3杯目はマスターお勧めの生ハムに合うカクテル、ということでオーダーしたのでした。僕はいつも、このバーに来ると、その日の体調や気分、カクテルのイメージを伝えて作ってもらうのですが、それがどれも美味しいし、そんな無茶なオーダーにも応えてくれる懐の深さが心地よくて、ついつい長居してしまうのでした。「松江」のお味は、ぜひ、このバーで確認してください。「やまいち」と、「A BAR 山小舎」に行くだけでも、松江に行く意味があるというものです。

 翌日の目的地は、益田です。島根県立古代出雲歴史博物館で、特別展「BATADEN〜一畑電車百年ものがたり〜」をやっていると聞いては、行かない訳にはいかない。一畑電車を舞台にした映画が公開されることもあっての企画と思いますが、一畑電車の歴史など垣間みることができて、面白かったです。

 展示物の写真撮影可ということで、いろいろ撮ってしまいました。
 出雲市内で割子蕎麦を食べた後は、島根県立三瓶自然館サヒメルへ。昔何回も見に行った、埋没林をもう一度見ようということで行ったのですが、企画展やプラネタリウムなど色々楽しんだのでした。

 三瓶山をぐるりと走っていたら、菜の花畑に遭遇。九州に比べると、季節がゆっくりですね。ここから川本町を通り、江の川沿いのゆったりとした春の景色を楽しんで江津まで来たら、ようやく日本海岸ののんびりした国道9号を走ったのでした。

 益田の目的は、この居酒屋「田吾作」です。太田和彦氏が、日本一の居酒屋というからには、行くしかない(益田に泊まった事は何度もあるのに、知らなかったのでした)。


 そして、料理も、お店の雰囲気も、お店の方々も、申し分ありませんでした。筍などのお通し、お刺身、岩牡蠣、蛤、自家製のお豆腐、山菜などなど、どれも美味しいし、どぶろくなど地酒も上々。通いたい。

 益田の夜を心置きなく楽しんだら、翌日は最終日。長崎に帰ります。せっかくだから、通った事のない道を通ろうということで、ひたすら山陰の海沿いを帰る事に。
 山口県に入ってまず訪れたのは、この冬素晴らしい感動を与えてくれた「東洋美人」の蔵元、澄川酒造場です。こんなところで醸されているんですね。良いところですね。実はこの蔵元、島根県との県境にあるということで意識していたのですが、山口県に入ってしばらくしてから思い出し、ナビの言うままに引き返したら、とんでもない山道(林道?)を走らされて、死ぬかと思いました。枝や落石やコケや落ち葉だらけの細い道。ホイールハウスの中はタイヤが巻き上げた落ち葉などでびっしり。まるでカブトムシでも飼っているかのような状態でした。

 きれいな日本海。癒されます。途中、黄砂と落ち葉でとんでもなく汚れたエスパスを、GSで洗車。そしたら、北見ナンバーのトヨタが洗車を待っていて、聞いたら北見から日本海側の下道をひたすら走り、屋久島を目指しているとのこと。去年弘前まで行った・・・、なんて大したことないですね。上には上がいるものです。

 お昼ご飯は萩で。旅の最後に豪華ウニ丼を食べたり、夏みかんのお菓子を買ったり、ぶらぶら散策したり。

 10年ほど前、トゥインゴでここを通りました。

 ひたすら、日本海岸を走ります。きれいな景色が続きます。

 そして、最終立寄地である、角島大橋に到達。どんなところかよく知らずに来たのですが、こんな凄い橋とは思ってもいなかった。

 橋の上はものすごい強風。橋の途中の駐車帯にエスパスを停めて写真を撮ったのですが、まっすぐ立っていられないし、カメラもしっかり支えられません。強風で通行止めになるらしいけど、いったいどれだけ風が吹けば通行止めになるのか、見当がつきません。

 橋を往復して、袂の公園から橋を眺めてみましたが、素晴らしい眺めでした。
 さあ、これで思い残す事はありません。長崎に帰りましょう。

 と、下関から高速に乗れば良いのですが、こんな機会は滅多にないと思い、関門トンネルを走る事に。この写真を撮った後、トンネルの入り口で写真を撮ろうとしたら、メディアがいっぱいでした。
 ともあれ、京都まで、山陽から山陰をぐるりと回って約2千キロ。エスパスの旅は楽しいなあ。さすがに連夜の飲み疲れで寝不足でしたが、今回は独りで運転し続けたにもかかわらず、らくちんそのもの。走る道があるから、躊躇なく給油して、景色を楽しみながらのんびり流す。そして、その地の美味しいものを食べてと、これ以上求めるものはありません。
 ところで、前回の日記の日本酒は、松江の酒屋で仕入れたものなのでした。